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スレッドNo.6801

over.  上原有栖

気怠い空気の午後三時
短針と長針は90度の距離をおく
アイス・キャンディを咥えながら
眺める無音の秒針

火照った身体が
タオルケットに包まれている
なだらかな稜線の先に見えるのは
華奢な首元と足首の肌色だけ

******

ふたりは
都合のいい、関係
知っているのは
必要なときに繋がる電話番号

知り過ぎると囚われてしまう
本気になった側が負ける遊戯(あそび)

あなたは
縛られるのも悪くない、と笑った
わたしも
束縛されるのは嫌いじゃない、と、嘯いた

******

再び視界が覆われる《over.》
 引き締まった胸板に腕を回す
紫煙の残り香に包まれる《over.》
 わたし、あなたと同じ煙草を喫うようになった
感情が昂ぶっていく《over.》
 恥じらいの理性に今だけは鍵を掛けて

******

目覚めると、ひとり
短針と長針は随分と離れてしまった
無音の秒針も
逢瀬の終わりを告げている
《So it's over.》

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