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スレッドNo.6891

破線  松本福広

今日は何もしない一日
時間を消費した感覚だけが
部屋に落ちていた。
滞っている仕事を思い出し
気持ちが沈む日曜日の夕方。
破線のような日常だ。

印象が強かったことはあるが
過ぎ去った記憶を振り返ろうにも
積み重なった年月が
重くなればなるほど
薄く   すり  減ら  された  ように
見えなく  なっていく。
破線のような人生だ。

たった今 書いた文章を
スラスラ澱みなく  読めるかと言ったら
人前だと    恥ずかしさもあり
つっかえつっかえに なってしまうだろう。
瞬間──たった今も
破線の中でしか  いられない。

点線 鎖線かもしれない。
不規則に 形を変えながら
確実に刻んでいく。
不均一で 不平等な 破線しか 引けない。
直線に伸びる実線は、
今もここにある、絶え間ない直線の時間が
最期の時へと引かれる。

短い破線を引く。
流れてくるSNSの  タイムラインのように
日常で目にするものを  無意識に選んでいる。
長い破線を引く。
人類の歴史が 戦争と平和の 破線で続くように
平和への祈りですら 破線なのかもしれない。
私たちには  日常があるのだから。

線が引かれていない
  空白  には意味がなく
そこに溺れてしまうものなのだろうか
空白 に広がる泉を跨いで行く。

前の線のお尻は  駆け出した足の爪先で
次の線を書き出す 頭の点は
着地する踵の関係だ。

破線の   大きさ   間隔は   一歩分。

空白を刻みつつ  線を刻んで行く

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