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スレッドNo.6915

ユニバーサル//コミュニケーション  松本福広

障害・障がい・障碍。時代や文脈によって表記が移りゆく。表記による障壁で引っかかる。言語、文脈、表記、その歴史が渦巻を作り、排水溝に吸い込まれる。手に残した紙片にはインクが滲んでしまって、何が書いてあったかは判読できない。

「言葉を多くすれば伝わる。」という偽物の神話を信じている純粋な人は多い。例えば、地球を知りたい人がいる。その相手が知りたいことなのかは分からないままに説明をはじめる。太陽から三番目に近くて、丸くて、青くて、大きな星だと伝えていく。言葉を尽くして、懸命に伝えようとする。懸命になればなるほど、無駄な装飾が増えていく。いつまでも地球の核の話にならない。今、やっと世界の人口の話を始めたところだ。

伝えたいのは何だろう。伝えたいのだろうか。目的を考える。伝えたい訳では、ないこともある。主体の矢印はどこを向いているのだろう。誰でもない君なのか。誰にという訳でもなくみんな、になのか。それとも、無自覚な投影なのだろうか。渦巻きだったものが澱みをもってチョロチョロと少しずつ横に流れる。悩み事を話し始めた、君の悩み事が小さく思えて、笑ってしまった。矮小化された一つの心が消滅する音を、私は聞こえなかった。話を聞いて、君に伝えたかったことは、こんなことだったのだろうか。

ロボットだけの街。お互いに作られた時期が違い、機能も、仕様も違うロボットたち。齟齬が生じないよう互換性のチェックを再三行う。プログラムされたチェックリストを間違いなく行う。外国産、国産関係なく確認は行われる。適材適所に割り振られる。不完全だけど補い合うシステム。学習された優しいコードを交わし合う姿が人間に似ている。

自分が困っていること。他人は困っているのか。
他人が困っていること。自分は困っているのか。
他人で困っていること。本人は困っているのか。
ロボットが運んできた新しいページには、そう綴られていた。次のページに新しい未来が綴られている……願望こそが人間だ。

私が話す言葉は伝わる──そう思い込んでいたけど違ったようだ。と察する。
障壁を見つめる。障壁は営みの中で、偶々そこに道が出来たから障壁だと呼ばれただけなのかもしれなくて。障害は、どこの目線から害と呼ばれたのだろう。自分勝手な私と、優しいロボットのすれ違いを修正する術は、透明で美しいロジックを知ることだ。けれども、概念が生まれる速度についていけない。

※ユニバーサルコミュニケーション
ユニバーサルコミュニケーションとは、年齢、障害の有無、言語、文化などの違いに関わらず「すべて」の人が相互に意思疎通できる環境やスキルのこと。
バリアフリーは「障壁(バリア)」を取り除き、社会参加を可能にする考え方です。
つまり、前提からすべての人を対象にしたものと、予めある物事に、特定の障壁に対して後から取り除くことであるかの違いです。

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