ミモザの余白 ゆづは
寒さも緩んだ土曜日の昼下がり
降り止まぬ雨に
予定をすべて 白紙に戻す
ミモザの表紙の新しい手帖
白く塗りつぶした
淡い痕をそっとなぞれば
そこだけまだ
少し あたたかい
賑わう街の誘いよりも
今はただ
冷めてしまった
紅茶の苦みがいい
窓を叩く不規則なリズムは
誰の期待にも応えない
透明で気まぐれな
私だけの沈黙
スマホの画面を伏せて
眩し過ぎる誰かの日常を閉じ
古い詩集の
好きなページに
指先の居場所を見つける
外は灰色のカーテンに包まれ
境界線が緩やかに溶けてゆく
この湿り気を帯びた孤独は
明日を待つための
ささやかな灯りのように
色とりどりの傘を見送りながら
私は 穏やかな雨の音に
ゆっくりと
満たされていった