姉の眠るところ 三浦志郎
姉
僕が高校一年の時
この家から嫁いで行った
成人式は婚家で迎えた
嫁ぎ先
何の不自由もなく
伴侶 子供 孫
全てに恵まれ
明るく生きた姉
しかし 人生 それだけではないらしい
天は そういう境遇に嫉妬したらしい
病を得て闘病
女性にしては早かった死
(ねえさん―)
今 僕は
彼女の墓前にいる
近くには
寺 神社 公園
どれも由緒あり美しい
横浜でも郊外
辺りには
花も木々も満ちている
姉
死後を過ごすには
死後を眠るには
申し分のないところ
彼女
生前
幸福だった
今は
眠るところも
冥福だった
(あたしは もう 大丈夫
だから シロちゃん
もう悲しまないで
あたしの分まで
これからを生きてちょうだい)
生者の僕のほうが
死者の姉(マコちゃん)から
暖かさをもらっている
(また 来るよ)
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三月二十日。今日は、お彼岸のお中日。