沈黙を学んだ冬 光山登
何も言わないことは何かを言うことにつねに勝る。
僕は部屋の隅で膝を抱えながら言葉の奔流の中で漂流していた。
たどりついたのは枯れた木に包まれた味気のない孤島。
僕はあのとき欲望の蛇口を流しっぱなしにしていた。
水には最初から棘が混じっていた。
流れ続けるのに逆らえずに彼女を痛みの渦潮に浸した。
外から雷鳴が彼女の泣き声のように聞こえる。
冷たい責め苦は暗い部屋の黒い窓をすり抜けてやって来た。
トイレに行って汚れた手を洗う。
水は窓の外でとどろく黒雲のようにどす黒かった。
僕の刑期はまだ終わっていないようだ。
許されるときが来るまでひたすら赤い血を流し続けなければならない。
彼女が流した血のすべてをつぐなうように。
すべては欲望の言葉のため。
すべては欲望の言葉のため。