夕暮れ時に
夕暮れ時に酒と薔薇の日々をギターで弾いていた
ティーンエイジャーになった娘は帰るなり、ただいまも言わず
にやにやしながら私に問う
「ねえ、どうして私生きてるんだろ?」
そうなんだね、やっぱり私と娘は
ずっと繋がってた
昔はへその緒で本当に繋がってた私と娘
夕暮れ時の分娩台で看護師さんにその繋がりを
バッサリチョッキン切られたあの日から
私たちバラバラになった
しばらくねんねの頃もあったけど
すぐにトコトコ歩いていって
抱っこもできない重さになって
うさぎみたいにピョンピョン走っていく娘
遠くに行っちゃったみたいで私は、しょんぼりしてた
でも、ずっと繋がってたんだね
今、娘は私がティーンエイジャーだった頃と同じことを想う
「ねえ、どうして生きてるんだろう?」
なんてにやにやしながら
娘は目の前でいちご大福を頬張ってる
「どうしてかな?」なんてとぼける私
ただこうやってその時の空腹を満たして私たち生きてる
それだけだし、それでいいし、それがいいって私は知ってるから
にやにやしてる娘を見ながら
私は娘と繋がってる幸せをニコニコ見てる