スロウダンス 上原有栖
生命(いのち)は有限である
不死はまだ実現しない
"サイエンス・フィクション"じゃないから
令和に生きる僕もあなたも
いつか朽ち果てて骨となる
百数十年もすれば
刻まれた墓碑名も掠れてしまうだろう
僕は
何のために生まれて
何を成すため生きるのか
分からないけれど
分からないまま終わる
そんなのは嫌だから
生き様を探そうと思った
そうと決めたら
ステップ・バイ・ステップでいこう
この一歩は、隣を歩く他人には
震えて差し出す小さな一歩かもしれないが
この一歩は、今を生きる僕には
奮えて踏み出す大きな一歩になるのだ
足を振り出したら
止まってはいけない
二つの踵で地面を鳴らして
踊るように進むべし
前へ!前へ!前へ!
『人生はダンスのようなもの』
と誰かが言っていたね
進む速さはスロウでいい
拙いターンや調子外れのテンポでもいい
生きている限り
僕は歩くよ
僕は踊るよ