あの頃の じじいじじい
ママへ
いつもやさしくしてくれてありがとう
おいしいおりょうりありがとう
いつまでもげんきでいてね
○○より
老人ホームで生活している母の面会に行った
母が入浴中 私は居室の掃除をした
その時 母の古びたバッグから古びたメモを見つけた
なんだろう?
二つ折りのメモを何気なくひらいた
それには幼い頃の私の字で冒頭の文が記されていた
母は私が幼い頃に渡した手紙を残していた
若くて元気な頃の母との思い出が
沢山 蘇ってきた
今 私の脳裏には母ではなく あの頃のママでいっぱいになった
私は涙が沢山あふれた
今は年老いて寝たきり認知症で私を娘と認識していない でもあの頃の母は笑顔いっぱいのママだったんだ
認知症の母が何故この手紙を持っている?なんてことはどうでもよかった この手紙を母が残していることが嬉しい
母が入浴から戻ってきた
私は母を抱きしめて言った
「ママ だいすき」
その時母が「○○ちゃん」と小声でつぶやいた
私にはそう聞こえた
そうか!母が覚えている私は○○ちゃんなんだ!
私は母をさらに抱きしめ「○○だよママ」と
言って泣き続けた
今日は人生最高の母の日になった
これからもずっと私は母にとって
あの頃の○○ちゃんでいようと思った