誕生日 aristotles200
子は気づいた
目の前にある
焼かれた羊肉の塊は
父が盗んできたものだと
誕生日だろ
ご馳走だよ、さあお食べ
父の分はなく
優しく見つめている
黙って食べ終えた子は
台所に捨てられた
パックとラベルを探す
見つけた
ラベルのスーパーに向かう
すいません
父が盗んだようです、通報します
どれどれ、ピッ
あ、本当だ
なんて偉い子だろう
子の頭を撫でる
すぐ警察を呼ぶね
ピンポン、ピンポン
扉を開けろ
窃盗容疑で同行してもらう
えっ
証拠は?
子がいう
父さん、盗んだんだろ
この犯罪者め
うなだれる父親
警察署に連れて行かれた
余罪も多そうだ
数日かけて、じっくり調べてやる
警察官はいう
なんて偉い子だろう
頭を撫でると、帰っていった
焼いた羊肉の匂いが
部屋に残っている
シンクには洗っていないお皿
小さな家で一人、子はいう
どうだい
なんて僕は偉いんだろう
薄暗い家には
食べ物もお金もない
父一人、子一人
他に身寄りはいない
母親の遺影が
優しく子を見つめている
僕は偉いんだ
そろそろ
お腹が空いてきたな
一人、歌う
ハッピバスデーツーユー