点 aristotles200
日常の風景に
点が現れる
目の錯覚
些細なこと、気にしない
点が、少し増えている
どうでもいい
誰一人、騒いではいない
あちこちに点が見える
眼科医はいう、異常ありません
先生、みんな見えてるんですか
答えられません
視界のほとんどが
点に覆われてしまった
手で払うと、少しましになる
皆、普通に生活している
わからない
目を細くすると
点が薄くなり、何とか見える
テレビでも、道でも
皆、目を細くしている
誰も騒がない
おかしい
ある朝
目覚めると
世界は黒い点で覆われていた
何をしても見えない
これが
人間の終わりなのか
暗闇と沈黙
人間の
連なりが
絶たれてしまう
……
点め
たかが点だろう
怒りと
不条理への憤り
暗闇の中で、立ち上がり
大きく
手を開く
パンッ
瞬く間に
視界から点は消えた
意思は示さねばならない
表へ出る
太陽も、雲も
街も
何もかもが
点で
塗り潰されている
焼けた金属の臭い
あちこちから
囁きが
聞こえてくる
いいだろう
大きく手を開き
告げる
ここは、人間の世界だ
パンッ