花より雨に ゆづは
1階のフラワーショップが
やけに眩しかった
色鮮やかな主役たち
それを見ているだけで
左胸がチクリと痛む
花は 誰のために
笑っているのだろう
スーパーを出ると
もう雨だった
傘を開いた瞬間
世界との間に
頼りない輪郭が生まれる
コンクリートを叩く雨音が
耳朶で弾けて
私に囁く期待の声を
かき消してくれる
角を丸く削られた
原色を滲ませた水彩の街並み
メッセージの通知も
明日の予定表も
すべてこの雨が
流してくれればいい
傘のドームに守られながら
私は ただの風景になりたい
誰のためでもない
雨粒のひとつに