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スレッドNo.7292

評、5/22~5/25、ご投稿分。  島 秀生

お待たせしました。

●相野零次さん「愛情」

うむ、書けましたねー。これは絶賛です!!
自分のこれまでの人生を、時間旅行してるかのように縦横に跨いでいきます。
かたや、愛情は何十億年来のやりとり。
地球ができたのが46億年前と言われてますから、まさに地球ができた時から、地球創世と同時に神様がアダムとイブを作ったとする神話に基づくかのような話で、それ以来ずっと、ということになると、もはや愛は永遠と言ってるに等しいです。
それが自分の人生と交差している。それを俯瞰的に見ているところがありますが、一方で、現実の愛を、今かみしめているといったものも感じます。
また、自分なりに「愛情」というものを定義しようとするなら、こういう回答になる。と、言った感も感じます。
空間・時間をわっと広く取って、最後にきゅっと締めたかのような作ですね。スケールも大きいです。
うむ、抽象的に表現した部分もありつつ、情の籠もった、いい詩でした。
今までで最高作じゃないですか。名作&代表作入りを。文句なしです。


●虹乃衣里絵さん「菊」

いちおうね、作曲者の意図的なことを言うと、
この曲は追悼の曲ですね。菊はいわばお葬式の菊の意で、イタリアでも基本は白みたいです。
この曲がただ哀しいだけでなく、厳かな風貌があるのは、追悼の相手が、元・スペイン国王だったからでしょうね。曲に荘厳さがあり、故人の尊い人生を描くようなところもあります。たしかに凜とした立ち姿にも聴こえるかもしれません。

以上は、曲ができた経緯から、作曲者の元々の意を推測したもので、音楽って自由に聴けばいいので、詩で書かれているような解釈もアリですよ。

それにしても、やっぱりオケよりも弦楽四重奏やるような楽器は、特別ですね。こちらのオーディオ環境が何であっても、弦の泣きがくっきり聴こえます。深みが違う。響きが違う。例のべらぼう価格の楽器なんだろうと想像します。楽器+演奏者の深みが、おっしゃるように抒情の深みにも通じる気がします。楽器がいいと、それが際だってわかる曲だ、ということも言えそうです。

詩にある、

 弦楽の啜り泣き
 音色が流線形を描く

の表現はステキでした。

 心の深い所まで
 沁みてゆく叙情

も、まさに同感でした。

曲に向かうアプローチはいいと思いました。
虹乃さんは、私は初めてなるので、今回は感想のみで。


●上原有栖さん「relief」

大人になってから、
子供を連れて、公園に行くと、鉄棒があるんですね。
で、鉄棒を握ると、忘れていた、昔の嘲笑された思い出が蘇ってくるわけです。

子供の純粋さ・無邪気さって、良いも悪いも遠慮がないので、時に残酷な時があります。本人が困っているにもかかわらず、遠慮なく笑うんですよね、そんな時。
何歳の時からだったか忘れましたが、自分がされて嫌だったから、自分がされて嫌なことは、人にはすまいと思うようになって、いつからか私はそういう時に笑わないように努めるようになりました。でもそれって、理性であって、純粋とは逆のものなんですよね。思うに、純粋がキレイなものだとは限らんと思うわけです。

ところで、一生懸命、練習してる時って、へんに身体を硬くしてしまってるのか、当時は子供だったから要領を得ないままやってたのか、大人になってから、リラックスした気分て、ひょいとやったら、意外にできたりする。この詩はそういうシーンです。
リベンジできたようで嬉しくなり、子供に見てたか、と言いますが、どっこい、子供は興味がないからどっかいっちゃってるで、残念ながら誰も見てくれてなかったんですね。

ともあれ、何度も練習した人ほど、鉄棒の匂いって、忘れられないんじゃないかな。鉄棒の匂いって、独特ですよね。
この詩の終連の感覚、よーくわかりますね。

学校の思い出って、いい思い出ばっかりじゃないですよね? 嫌な思い出もありますよね。そこを遠慮なく、書いてくれてて良かったです。(多少、創作部分もあるかもしれませんし、この記憶自体も古いものかもしれませんが)
名作を。

 逆上がりができなくても
 立派な大人にはなれます
 逆上がりができなくとも
 優しい父親にはなれます

は、今の子どもたちへのエールになりそう。この連も、好きです。

後ろから2連目の1~2行目だけ、

 子に 見てたか!と 
 思わず尋ねるも

こんな感じでもいいかも?と思います。ここだけ一考下さい。


●aristotles200さん「わかっている」

新劇の舞台を観るような展開で、こういう空間は好きですよ。
ただ、ちょっとおかしいなと思うのは、
一方で、

 Zがいう
 この偽者め、恥をしれ

と言い、
もう一方で、

 Aは何処にいったんだろう
 Zは、さも心配そうに

というためには、
前者で、架空のAに言い、後者で現実のAに言う必要があると思うんですよ。
つまりZが語り出す時に、「Aという対極がいるんだが、自分はこう考えるんだ」というセリフを、そこにリアルにいるAを無視して、しゃべり出さないといけない。

そのためには、

 見かねてZはいう

は、完全に邪魔ですね。「前者」の区間において、リアルのAを意識してはいけない。

こういう考え方で、もうちょいとだけ整理してみて下さい。
新劇の舞台(戯曲)的雰囲気は出てるんで、悪くはないです。
それに大勢集まると、話があらぬ方に行き、元の議題がどっか行く、みたいなことは、経験ある人も多いと思う。そこへのアイロニーを感じさせる作ですね。

ただ、追放や終連の孤独の部分については、この詩が内容を略して展開だけで読ませているものだけに、話の具体事例など内容が一切書かれてないものだけに、「悲惨」を実感として感じることは難しかったです。
そのため、Aとしたら気の毒な結果になるものではあるのですが、現状としては、大別は、社会風刺的な喜劇の方に入ると思います。

でもまあ、冒険作の意欲は買って、秀作プラスにしておきましょう。



********


*評のおわりに

カルビーが、一番最初、カラー3色のパッケージを発表した時、
このマーケティングは英断だと思いました。
インク高騰の必然性があったとはいえ、既成観念が強いと、
なかなかそこ、思い切れるものではありません。
これでも行けると踏んだ英断が、マーケティング的には凄いことです。

ただ、逆転の発想で3色にすることが、却って売場で目立つんじゃないかと期待したフシもあり、
こんなふうに各社ともが追随して、売場全体が3色パッケージだらけに、もしなったら、
ちょっと思惑と違ったことになるかもしれません。
その時はまた変えるかもな。

ところで、もはや覚えてないんですが、カルビーって特色(オリジナル配合の別注インク)使ってましたっけ?
特色使ってたら、余計にインク代が高かったということもあるんですが。
(ふつうの菓子メーカーは、特色やりませんので、たぶん違うとは思うけど)

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