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スレッドNo.7320

〇 大河ドラマ記念・加筆再録・歴史エンタテイメント詩  三浦志郎

「楽団音曲選び評定―太閤秀吉さん 弟・秀長さんと五奉行くんらを招集されました」  


太閤秀吉さん上座 その隣に弟君・小一郎・大和大納言・豊臣秀長さん
今年の大河ドラマにちなんで 当日 司会は秀長さんです

(秀長さん)―おのおの大儀  かねてより存じおろうが 聚楽第にて帝(みかど)をお迎え申し上げて饗応音曲会
(ライブミュージックパーティー)を催すことと相なった 古今最大最高の宴である そこで おぬしら奉行を集めしは他でもない  
さて 会にて どのような楽団にいかなる音曲を奏でさせるか? おのおの 存念を申すがよい

(増田長盛くん) それがし 一策あり申す

(秀長さん)―ほう さっそくか  申してみよ

(増田) 海を越えはるばる渡来の武留宇巣(BLUES)を奏でるがよいかとー 
しかる後に独奏(ソロ)回し さすれば集まりし人々を極度の興奮に誘うは必定(ひつじょう)!

(秀吉さん)―なに サル回しとな? そのほう わしを愚弄するか!(秀吉さん 自分のことを言われたと思い 
お怒りのご様子です)

(秀長さん)―兄者(あんじゃ)!まあ落ち着け 話を聞こうぞ

(増田) これはしたり! いえいえ さにあらず サル回しにあらず ソロ回しでござる (汗) 
 独奏を連鎖することにござりまする

(長束正家くん) いやいや 増田殿 BLUESでは汗くさい いかにも暑苦しゅうござるよ
それに そもそもサル……いや、ソロ回しとは奏でる者の自己満足に過ぎないのではあるまいか
聴く者を置き去りにしてはなるまい

(秀長さん)―正家 そちは違う考えがありそうじゃな

(長束) されば BLUESと同格なれど 蛇図(JAZZ)なる音曲はより幅広うござる しかも
“標準音曲”(スタンダード曲)とかあると聞き及んでおりまする それらをあまた奏でれば 
帝も諸侯もお喜びになられるでありましょう なにより”標準音曲“には親しみ深きものあり 
口ずさむに足る美しき調べがございます

(前田玄以くん) “混交音曲”(フュージョン・ミュージック)も下々では流行りしものと心得まする

(秀長さん)―そは如何なるものぞ?

(前田) JAZZに根性音楽・岩石音楽(ソウル・ロック)が入り混じったる物のようで……
かつて織田右府公(信長)が雇いし黒人(くろびと)が流行らせし音曲とか
聴いていると腰が勝手に動き出す効能があるそうな 黒田の官兵衛・如水殿がご愛好のようですな

(秀吉さん)―なに!如水めが好きとな 異風好みのあやつならさもあろう さぞかし怪しげに下半身をくねらせ
嬉しがっているのであろう 想像するだに不気味にして笑止千万  片腹痛いわ!
されど なるほど それはなかなか面白そうな音曲分野(ジャンル)よのう
ふぅむ 存外 音曲とはあまたあるではないか ここが思案のしどころじゃのう

(浅野長政くん) 徳川内府(家康)殿のお好みは如何でありましょう?

(秀吉さん)―あの者は地味な男 音曲には興味なかろう 何でもテキトーに聴かせておけばよい

(浅野) 当世風(モダン)な伊達政宗殿の御存念や如何に? あの御仁は折よく大坂屋敷におられる由 かの殿に策あらば
容れるに足るでありましょう そのお隣り・上杉会津中納言(景勝)殿にも使者を出しましょうや?

(秀吉さん)―その儀に及ばず 上杉はともかく 伊達はどうも胡散臭い 忠義づらをしてわしに偽りを吹き込みかねない輩じゃ 
ええい これでは決まらぬわ!秀長 なにか存念はないのか?

(秀長さん)―音曲ばかりは それがしも困りましたわ 三成 なんぞ 妙案はないか?

(“待ってました”とばかり 石田三成くん) はは さすれば わが領内に今 “出雲の阿国”と称する歌舞音曲団が参っておりまする 
女衆の踊りが主ですが 雄大楽団(ビッグバンド)も連れております その中に”音曲作り師“(コンポーザー)と音曲編み師(アレンジャー)なる者もおりまして、平家物語風琵琶語りと今様(ポップス)を合わせし物を奏で なんでも”創り音曲“(オリジナル曲)とか呼ばれ もっぱらの評判に御座候 それがし 過日見物しましたるところ 女たちの妖艶な歌と踊りと楽団の妙なる調べは極上の遊興事(エンタテイメント)に御座りまするぞ 上様におかれましては その者らをお召しあそばせば如何かと愚考致します この儀 前田様 毛利様 上杉様 宇喜多様 お歴々にはすでにご内意を得ておりまする

(秀吉さん 身を乗り出して)―それよ それよ! その物珍しさと女どもの色香こそ欲しいものよ いかにも妙案 
さすがじゃ 三成 さっそく そのほう 差配せよ (藤堂)高虎・(大谷刑部)吉継とも評議し よろず取り計らえ 

(石田三成くん) はは ありがたき幸せ いと易きこと では ただちに奉行仕りましょう
(やはり三成くん ご機嫌取り うまいですね!)

(秀長さん)― ようした 三成! されば 酒肴の贅を存分に尽くせ
山海の珍味を諸国より取り寄せよ 
酒は伊丹より大地が傾くほどに運ばせるがよい

(秀吉さん)― 今から帝のお喜びのお顔が見える気がするわい             
興至らば わしも一曲歌おうぞ 
亡き(竹中)半兵衛も 生きておれば楽しみにしていたであろうよ 是非もなし
女ども 踊りし後はわしの許に侍らせよ 

(秀長さん)―兄者(あんじゃ)は相変らず女好きよのう~ がははっ!

(秀吉さん)―かの“ビックリ”バンドには十万石の料をはずんでやれ!

(秀長さん)―兄者(あんじゃ) “ビッグ”バンドぜよ!

(秀吉さん)―なんでもよい! ゆくゆくは わしのお抱え楽団(ハウスバンド)とすべし  
おのおの大儀 本日 以上なり!

(秀長さん・五奉行くん一同) ははあ~~ (みなさん平伏  評定はめでたくおしまいです)

                        *

* 十万石の料(ギャラ)。これは驚き。楽団衆(ミュージシャン)は、大人数なれど頭割りでも、これは旗本級。
大盤振る舞い。かの衆の為に、寿ぐべし、寿ぐべし。

* 豊臣秀長はその音曲会の盛会を見届け、二ヵ月後に没した。(架空でござるよ)。


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秀吉のセリフのところに竹中半兵衛を加筆したのは、今日(6/14)が大河ドラマ「豊臣兄弟!」で菅田将暉演じる竹中半兵衛の最期だからです。この菅田という役者さん、前から上手いと思っていましたが、このところ“いい顔”になってきたなあ。軟派な僕が言うのもナンだけど”男気(おとこぎ)“が滲み出てきたように思います。半兵衛って、ホントこんな人だったのではないか、と思う。
男の持つ誠実さとインテリの持つ優しさ・弱さ・儚さ、のような―、 そんな人。

編集・削除(編集済: 2026年06月15日 05:36)

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