ホトトギス トキ・ケッコウ
未明にホトトギスが急に鳴き出した。なかなか止まない。ふと思う。あれは捕食者に対する警告なのだと。そしてそれを広めようとする意志なのだと。しかしそれは立場を変えれば相手が「飢える」こと「餓死」することを意味するはず。なんとも言えない気分をもって私はそれを聞くのであった。
ホトトギス 喰われる者に知らしめて
*
生きものたちは生き急ぐ。でも死に急ぐものたちは実はいない。人間だけが言葉を繋いで。生きも死にもしない。では。私はどちらに与するのか。では。生きるものへか。いや。
では。それとも死ぬものへか。
ホトトギス 朝日の裏で夜を喰う
*
今朝。家中で一匹の小さな虫をつかまえた。外へ出してやろうと手のひらに収めていたが。外に出た頃には消えていた。
あの虫は。どこに行ったのだろう。
私は。どこに向かうのだろう。
*
すっかり日が昇って。梅雨を終える前の座興のように。
あたりはとても平らかに。
晴れた。