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スレッドNo.7361

羽痕(はあと)   上原有栖

予報が外れて雨が降った夜
ずぶ濡れの幸運
勢いに任せて部屋へ連れ込んだことを
神さまは許してくれるだろうか

出逢ってまだ三ヶ月
運命なんて陳腐な言葉は信じていない
けれどこの気持ちは
一目惚れとしか言いようがなかった
横顔を見て
天使って本当にいるんだ、と思った

脱衣所の暗がりで着替える音が響く
「背中、見られたくないから」
その言葉と衣擦れが
火照る耳を刺激する

騒々しいテレビは早々に消した
夜が深まると
周りの音が呼吸(いき)を潜めていく

横になり手と頬で触れて感じた
あなたの背中
布越しの皮膚は砂のように硬くて熱い

すべてを知りたくて
背中を見せて欲しいと頼んだ
細く息を吐くと
あなたは寝間着を上へと捲っていく

乳房を隠しながら
髪を掻き揚げ顕になった背中には
白い羽模様の痣
大きく広がる羽痕が━━━
醜いでしょ、と微笑む仕草に
わたしの心は堕ちた

『天使って、やっぱりいたんだ』
今日から運命を信じることにした

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