フィグ 上原有栖
配膳は滞りなく進む
白布が化粧するのを静かに待つよ
甘くて
艶めく果実の香りが届く
目の前では
蝋燭の灯が揺れていた
青い蕊(しべ)を優しく包むのは
橙色の花弁だね
ああ膨らんだ蕾に似ているんだ
息吹けば散って闇
一本くらい消してもいいかな
駄目よ
雰囲気が壊れるから
和やかに談笑は続く
給仕係の並べた前菜は
無花果とムール貝のソテーです
剥き身にされてsourceに彩られて
なんて美しくて無防備なのでしょう
唇と舌で
甘味と塩気のmariageを感じて
あなたは気に入ってくれたみたい
まだ食事は続くから
必ず満足させてあげるよ
そうしたらきっと実を結ぶ
さっきの無花果みたいに
柔らかく熟した
甘い恋の夜