時をかける 三津山破依
※止める
ネクタイを緩めたのは、
金曜日のこと。
滅多に使わない
ギターケースの埃を払い、
冷えたビールに感謝。
俺は月曜日を考える。
画面の中のあの娘は
気持ち良いくらいにこんがりとして。
知り合いの知り合いから
久しぶりに名を聞く。
あれから、
会ったこともなくて。
※戻す
たぶん、あなたは振り向いた。
わたしは
汗を流して、日差しを浴びて、
走り過ぎた。
まだ髪は黒く、
紫外線と勝負していた頃。
胸元のリボンは赤かった。
オンチなので、声は響かない。
土を蹴るスピードは単調で。
あなたのイヤホンから溢れ出す音楽を
わたしは掻き集め、
グラウンドで駆けまわる。
たぶん、あなたは雲を見上げた。