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スレッドNo.7445

感想と評 7/10~7/13 ご投稿分 三浦志郎

1 aristotles200さん 「ホーム」 7/10

前半はごく普通の風景を、極力感情を出さずに淡々と描写しているのがわかります。
逆にそこから風景の真理が滲み出て来るような気がします。そして「人間の営み~滅び」をひとつのブリッジとして、世界は(想像上の)逆転現象を起こします。そんな切り替えが「目を閉じる~目を開く」。これだけの操作で行われているのが興味深いです。ここに描かれる惨憺たる光景は作者さんが抱える想像上の反世界観と無縁ではない気がします。もしかすると世界とは、こういった二律背反的要素で、危うくバランスされているのではないか、そんな風にも思えてきて、この詩の主題にも関わって来る気がします。この二面性は明らかに人間の成せる業ですが、冒頭と最後に雨音が聞こえていますが、人間の所業を雨だけが見ていた、そんな風にも取れるのです。そこに空恐ろしさも感じるのです。佳作です。


2 上原有栖さん 「インヴォーカー」 7/10

おそらく「INVOKE」=「熱心な願望で呼びかける、嘆願する」に人を表す「ER」が付いたものと思われます。比較的、文語的で高尚な単語かもしれません。ファンタジーの世界では「召喚士」などと把握されているそうです。そんな要素も加味してみましょう。ここで感じ取れるのは、切に願うことには相当の交換条件、支払うべき代償、など厳しいGIVE AND TAKEの掟がありそうです。
(お主の~願いを言え)のくだりなどから、そのように感じ取れます。登場人物は「男」(冒頭と最後)と3連目に出て来る「相手」です。この人が(お主の~)のセリフを言ったのでしょう。ところが5連目「どうか許してほしい~」のセリフも流れからいって「相手」と思えるのですが、前段とは打って変わって優しい口調なのは何故か?そして、この連全体が何を指すかがわからない。最後は男の願いは叶わなかったようです。何か過酷な条件での願いという点はわかりますが、あとは不明です。ただ、詩行が硬質で、気高く書かれているのがよくわかるのです。甘め佳作を。


3 じじいじじいさん 「せかいいちのじゅうたん」 7/10

この始まりはなかなか個性的です。端的に言うと、4連まで「何が?」が明かされないのがいいんです。読み手も読んでて、なんだかおもしろい。そして、自分達ではない何か大きな存在や節理によって開かれる、その謙虚な喜びに価値が見出せるのです。
「せーの!」。ここが一番楽しいです。思い入れは個々にあるのですが、いざ咲いてみると、みな、なかよしで、お揃いに咲くのですね。結果、文中「きいろいたいよう」「たいようのじゅうたん」。みんなでほめあっての「なかよしばたけ」最後のフレーズがとてもいいですね!なんだか読んでて楽しいし”微笑の詩“ですね。佳作を。

アフターアワーズ。
私事です。3年位前に、行楽地としてのひまわり畑に行ったことがありました。ホントあたり一面ひまわりだらけ。だからこの詩はリアルに鑑賞できました。僕が行った所は近くに航空自衛隊の基地があって、帰ってくる輸送機がひまわりの上空を飛ぶのがとても印象的でした。


4 相野零次さん 「ろうそくの火」 7/10

ストーリーに徹した詩と言えそうです。主な登場人物は3人で「彼」と「その同僚の男性と女性」。
それらの関係を円滑に運ぶ為に架空名もしくは、たとえば、AとかEとかMとか何でもいいと思います。わかりやすくしたほうがいいです。まず薄暗い部屋の中の名札付のろうそく群は全く夢の世界であるでしょう。そこに「二つの正夢」があって、本当に人が死んでしまう正夢と死んでほしい人がどうしても死なない正夢です。後者が消えてほしい「仲の良い同僚の男性」です。
最後は「彼=自分」に振りかかる夢と現実のことです。僕が理解したところでは、「どのくらい時間がたっただろう」から「燃え尽きてしまった」の長い区間は彼が眠っている間に見た夢だと思っています。「明日は休みなので」と「次の日の早朝」も時系列的に繋がっているように思えます。
そして「……次の日の早朝」以降、彼は現実に車に乗って事故を引き起こして死亡したのです。
つまり前日の夢が正夢になったということです。そのように見ています。そう考えると「部屋にいた彼がなぜ/車に乗っていたのだろう」の疑問が僕には奇妙なフレーズに思えてきます。
細かくストーリー展開され、出来事が流れとして理解できます。ただ、全体を通読してこの作品の伝えたいコアな部分が何であるかは少し不明瞭な気はするのです。佳作半歩前で。


5 MAYさん 「ラ」の音で」 7/13 かなり久し振りとのことなので、今回は感想のみとなります。

よろしくお願い致します。なかなかリアルな詩でした。オフ会もあったようですが、やはり基本は相対ではなくネット空間上での接触です。此処もそうです。ですから、本作は大変参考になります。「君が隣の家のお兄さんなら良かった」が2度出て来るし、リアルに知り合うことを願っているようです。一歩踏み込んで考えると、主人公の相手への思慕のようなものも感じ取れるのです。相手の言葉自体は好きで信頼が置ける、だからこそ直に伝えて欲しい、そんな願いもあるでしょう。「ラの音」とは、おそらく「サヨナラ」の「ラ」だと勝手に解釈しております。そして、その言葉はかなりの悲しみと認識されている気がします。もうひとつの推測として、この「ラ」は“もし、そうなら」の「ラ」。そういった仮定としての記号でもありそうなのです。ネット空間ではなく、ひとつの会場にみんな集まって、ワイワイガヤガヤ話したり論評しあったりする、そういった環境では、おのずと個別感情も出やすいもの。そういった事情もこの詩の主旨ではないかと想像するしだいです。また、書いてみてください。


6 竹中ゆうすけさん 「ハナタレ小僧の夢口伝」 7/13

解釈が難しいですね。前回の評エリアで、僕は「作り手と読み手の立場は遂に越えられない」と書きましたが、この作品はその典型のような気もします。読み手の僕が感知し得たのは、僧侶の諭した「窮屈と解放」の概念。もう一人登場するハナタレ小僧のセリフらしきもの、もしかすると、この詩の全文がハナタレ小僧のもの?その文章的実態は不明です。「夢口伝」とあります。夢である以上、極端な表現で言うと「何でもあり」にはなります。僧侶とハナタレ小僧は師弟関係にあるような気もしました。「むらやま=村山」が何であるかはわかりませんでした。前作よりも、かなり手が込んでいる気がします。評価は延期保留とさせていただきたいと思います。


7 石川ぼうずさん 「家族になる」 7/13

まあ、一種のファンタジーなのですが、「妄想で見ていた女性が僕の妻になった」
―いいじゃないですか、最高ですね!
いい事づくめのまま、子供もできた。妻も子供を可愛がっている様子。しかし、話はそう上手く行くわけがない。ある日、突然もう一人の男。それも含めての「理想の家族」。なんとも、ハタ迷惑な話になってきましたが、評者の推測によれば、「僕」の妄想力が実現したように、妻の妄想力も見事に効いて別の男を結実させた、(そういえば、子供が出来た時点で、すでに妻の妄想力は機能していたのかもしれない)。さて、この「理想家族」は、この変則構成を続けていくのでしょうか?最後に「そして……」とあるので、続きが期待できそうです!? (あ、別に無くてもいいです。)
シンプルな口調で話を軽快に進めていくタイプでしょうか。コマをやや進めて、甘め佳作一歩前で。


8 河辺いすみさん 「夜明け」 7/13 初めてのかたなので、今回は感想のみになります。

よろしくお願い致します。非常に端正で抒情味のある描写力をお持ちです。初連で目を惹くのは「まっすぐな汽笛」。ありそうでない表現です、いいですね。「孤独な海→号令を求めた」もユニークです。総じて感じたのは、4連までの、どちらかというと、常套的な表現から離れて、以降は本人独自の表現形態を獲得しているように思えるのです。たとえば、個性的な単語を挙げます。「翼を離れた汐」「流木は割れる」 6連の不思議さ 「海~古い坂~錆びた窓枠」「蔦が揺れ 屋根が震えた」「駆けた子の足跡」など。思うに、表現の幅や領域に少しのズレを起こさせることによって、かえって現代的な抒情効果をもたらす、そんな意図がありそうです。また書いてみてください。


評のおわりに。

(伝わるかどうか、わからないけど)英国にいる雨音さん、感想ありがとうございました。感謝です。
そういえば、英国は首相がバーナム氏に替わるとか。けっこう替わってる気がしますが。
そのイングランドがワールドカップでフランスと3位決定戦。勝っても負けても3位、4位じゃ凄いですよ。 
では、また。

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