風に舞う 三津山破依
△上がる
影が動いた。
目の前に、
紙ヒコーキが不時着。
振り返る。
マンションが眩しい。
笑い声が反響する。
風が吹いた。
シャツのボタンを一つ外す。
目の前を横切る猫。
黒でもなく、三毛でもなく。
わたしを見ない。
ポストからこぼれ落ちた
広告ビラが
風に乗って舞い上がる。
▽下がる
酒を浴びたい日には
深煎り珈琲を我慢で、流す。
喉の奥に刻み込む。
エレベーターが窮屈だ。
奥に貼りつけられた鏡の向こうに
誰かいて、
後ろから見つめられる。
ボタンを押さないうちから扉は閉まり、
いつも何かが落ちていく。
急いでいたから、と誰かの言い訳。
逃げるように飛び出した。
暗い空なら、太陽は見えない。
砂埃が風に舞う。