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スレッドNo.750

秋の予感 - 失ってしまった情熱のために  U.

空気の妖精達は
太陽の下の歓喜をカラリと投げ捨て
今、白い衣(きぬ)を身に纏い
修道女の顔をして
私の周りで跪く
小さく肩を落とした太陽が、落ちていく
夕日は戦い疲れた兵士の心
そして
遣って来るのは賛美歌の声
遠く流れる風に
海の声が聞こえる
海を見たくとも
海は余りに遠過ぎました

夢の中で
あなたは
あんなに楽しそうに
迎えてくれた
夢から覚めれば
瞳の奥の小窓をピタリと閉じて
ちろちろ燃えていたローソクも消えて
凍りついた水銀灯の下で
小さな肩を両手で抱きしめ
冷たくなってしまうのですね
24時の鐘が鳴った
道は闇に吸い込まれていく
ほら、白い息の塊がコトンと落ちた

これから私は
何のために生きれば良いのでしょう
空白の時間の中で、自分を見るのすら嫌になり
それでも、自分の意思とは関わりなく、陽は昇り陽は沈む
迷宮の中で蹲っている時も
それでも、宇宙は動いていて、自分の存在も生も関係なく
自然の法則の確固たる中で、私は何なのか

今、困惑に魅入られて
内に籠る血の渦を持て余しながら
立ち尽くす

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