星を食む鳥 ゆづは
宇宙の最果てで
凍える星の最後の熱が
消えようとしていた
その鳥だけが
星の息絶える間際の
いちばん綺麗な光を
嘴で摘んで 喉へと流す
光は冷たい残骸となり
鳥を内側から凍らせていく
自由を失った翼は
閉じた傘のように硬くなり
黒い塊となった鳥は
夜の淵を引きずられながら
高い窓のある庭へと
墜ちていった
*
午前二時の庭先
骨の折れた傘のような鳥が
翼を畳んで震えていた
街灯の光を避けるように目を背け
か細い首をすくめる
喉の奥で弾ける音は
遠い星の 最後の呼吸
ひび割れた嘴の端から
光の粒が零れ落ちる
雑草を青白く照らしては
土の底へと消えてゆく
最後の欠片が闇に溶け
あとに残されたのは
一本の黒い傘
ブラインドが閉まる
影が遅れてベッドに沈む
ザラリと
舌先に触れる冷たい結晶
甘くない金平糖のような
星の残骸が
喉の奥でほどけてゆく