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スレッドNo.7523

じゃがいも  竹中ゆうすけ

黒土《くろつち》を被り温《ぬく》まっていた。厳しい寒さをリボンで結び留めた、あの日。騒々しい特紡の手等《てら》に、出し抜けに掘り返された。夢から覚め、咄嗟に暖を求めたも虚しく、伸ばす手を与えられていなかったことを識る。荒々しく清める手等からは、些かも飾り気を感じない。身ぐるみ剥がし、気紛れに切り割く、邪気を帯びた手等が、どれほど憎かったか ──── 切り割かれるべきは、本来、奴等の手であるはずではないか。

丸みを帯びた嘗ての姿は、切り出された角《かど》を以て、傲慢な一肋骨を威嚇する幾つもの分裂に転じた。けれども、粉を塗され茹でられて、乾涸びてゆく内に、現像した威張り角《づの》は、数々の分身や仲間の具材とこすれ合い、ふやけながら次第に削れてゆく──── 微生物の養い成す黒布が温かった頃の丸みよりも、はるかに艶やかに且つ滑らかになって。白い湯気をのぼらせる分裂体は、今や、ホクホクとして甘やか。人間の胃袋の肥やしになり、強酸の沼のなかで黄色く溶け尽くすと、同様に土を払われ洗われた、見知らぬ青屋根の下で育つ淡泊な塊《まろかし》を切り分ける手等のエネルギーに変わってゆく。

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疑惑の逃避を経て、真の救いの園へと誘《いざな》われる。畑《はた》の全面に安らかで穏やかな陽が注ぐ。春の立つ、この日に

編集・削除(編集済: 2026年07月30日 22:53)

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