帝釈天は象の上 三津山破依
蓮の季節に門をくぐる。
蝉の声が出迎える。
立派な枝垂れ桜は青いだけ。
その向こうの
五重塔を仰ぎ見る。
ソフトクリームには目もくれず、
講堂へと。
梵天は逞しく、
その下の鵞鳥は可愛らしく。
おずおずと進む。
大きな目をした大日如来は
たぶん私に微笑んでいる。
腰を掛け、暫し。
クーラーもないのに、空気は冷たい。
進むと、
お不動さまが睨みを利かす。
ゴメンナサイ。頭を垂れる。
象の上に座る帝釈天。
真っ直ぐに前を見る。
にやりと笑う象は
でっぷりとして、それはそれで。
私は少し左へ。
柱が邪魔をする。
あなたの角度をさがす。
腰に左手をあて、姿勢をただし、
右手には武器。
阿修羅さまを倒したという。
また会いに来ます。
桜のときに。
やっぱり
ソフトクリームを食べてから帰る。