つばめ トキ・ケッコウ
つばめ
そらを切って
いやそらから満たされて
飛ぶ鳥
遠くインドネシアから
日本へ渡ってくるという
その距離を思うと
わたしにはその鳥の墓場が浮かぶ
そこは太平洋のど真ん中
つばめは急に飛ぶのをやめて
海へと落ちてゆく
海に落ちたつばめは
きっと海亀に食われる
その海亀が人間に捕まったとき
彼か彼女はキキキという声で
命乞いをするのだろう
今年も電線で羽繕いする
つばめを見るたび
わたしは彼ら彼女らの
後ろ姿を思う
それは決して前から見られることを拒む
隼(はやぶさ)のような
飛翔なのだ