夏の終わり ゆづは
灯りを吹き消すように
あんなに騒がしかった夏が
寝返りの隙間を通りすぎてゆく
ハンガーに無造作に掛けた
小花柄のブラウスが
鏡の前でくたびれている
青白く光る画面に
向けていた視線はもう
考えることをやめて
暗い階段のステップを
一歩 一歩踏みしめるたび
足の裏から
昼の記憶が剥がれてゆく
部屋の隅で
昼間の顔は霞み
閉じた瞼の裏に
幽かな青い名残りがひび割れる
鍵をかけたドアの向こうで
今日という日は
ひそやかに熱を失って
明日の予定だけが
デジタル時計の数字となって
枕元に降り積もってゆく