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スレッドNo.7671

名も知らぬ鳥  ゆづは

明け遣らぬ空
無風の闇の中から
鳥の囀りが漏れ始める

庭の木々は
密やかに吸い 吐き
闇の襞を震わせている

「あれは何」と呟く私の前に
輪郭のない背中で答えるあなた

ひとつの咳払いを残して
あなたは夜の向こうへ消える

置いてゆかれたのではない
私はここで
暗闇と同化してゆく

鳥たちの交わす声の
ぞっとするほどの健やかさ
完璧な構造で編まれる
愛の旋律の その容赦のなさ

名も知らぬ鳥よ
薄明のなかに
ただ在るものよ
舌を失くしたこの口に
永久(とこしえ)の世の
乾いた言葉をこぼしておくれ

空の皮がゆっくりとめくられる
名前を奪われた私が
沈黙の洞の奥で
ただ細く喉を鳴らしている

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