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スレッドNo.770

9月20日から9月22日までのご投稿分の感想と評です

お待たせしました。9月20日から9月22日のご投稿分の感想と評です。


「手習い」 暗沢さん

暗沢さん、はじめまして!ご投稿下さりありがとうございます。
僭越ながら御作「手習い」の感想を送らせていただきます。
はじめての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。

カメを漢字で書いてみようから、はじまる面白さ。
旧字体ってこんな形なんだ、と驚きながら試しに書いてみました。
書き順があっても書けない…。どうなっちゃってるの?と何度も見直しました。
挑戦した人の苦戦するであろう箇所を
描写しているところは、そうそう!そこが難しいんですと
共感しながら読みました。
実際に書いてみて、易い中にいては気づかなかった、知らなかった
漢字の奥深さ、難しさの中の面白さを楽しむことが出来ました。
なかなか侮り難いカメという漢字を堪能できた一篇でした。


「六畳」理蝶さん


理蝶さん、はじめまして!ご投稿下さりありがとうございます。
僭越ながら御作「六畳」の感想を送らせていただきます。
はじめての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。

眠れない時間に感じる焦り。「朝になっても変わらないだろうけど 朝にならねば変わり得ないこと」に思いを巡らせます。朝に期待をしているわけではないけれど、この状況からは抜け出したい。もがくような苦しさとは違った苦しさが主人公の心の中にあって。
冷えた桜桃を齧る、随分前に買ったということは熟すまであえて待ったのか、忘れただけなのか。齧る、という言葉に味を楽しむより衝動的なものを感じました。
「何かが待っているのか どこかへ行かねばならんのか 暗がりの中唸り続ける」
どこかへ行きたい、どこへでも行ける、ではなく、行かねばならない、と自分の意志とは反したこと、すでに決められたことがあって、拒むことができない苛立ちのようなものを感じました。

苦しさと寂しさが漂う作品ですが、読んでいて苦しくならない。
自分だけではないのだ、と心の奥底にしまった暗い気持ちが癒える一篇でした。



「クジラ」山雀詩人さん


山雀詩人さん、今回もご投稿下さりありがとうございます。
僭越ながら御作「クジラ」の評を送らせていただきます。

バスにも顔がある。自信満々ではなく困った顔。叱られた犬みたいに
悪びれた顔とあって。可愛らしいなぁと思うと同時に謝らないバスの運転手との対比が
ユニークで、面白いと思いました。
そんなバスを労う主人公もいいですね。心があたたかくなります。
待つことが苦手な人が増えている世の中で、ふと心がほぐれるあたたかい一篇でした。
御作佳作とさせていただきます。



「ナツノカゲ」おおたにあかりさん


おおたにあかりさん、はじめまして!
僭越ながら御作「ナツノカゲ」の感想を送らせていただきます。
はじめての方は感想のみとさせていただきますので
ご了承ください。

夏の終わりを感じさせる一篇でした。
ここ数年の夏は、酷暑、猛暑と厳しい暑さに参ってしまいました。
一連目の何の音?と、音のクイズから入るところから、三連目からの夏が過ぎてゆく流れ、
よかったです。最初とリズムが変わっていく面白さは音楽に似ています。
「麦わら帽子を脱ぎ 立ち上がる 女の子が ひと夏をあっさり またいで飛び越える」
この女の子が夏になって消えたのか。夏を連れて行ったのか。
さみしさの余韻から夏の残り香を感じる一篇でした。



「キャラメル」cofumiさん



cofumiさん、はじめまして!
僭越ながら御作「キャラメル」に感想を送らせていただきます。
はじめての方は感想のみとさせていただきますので、ご了承ください。

キャラメルは、包みを開かれないまま時が過ぎた状態で、ベトベトに溶けて。
こどもの頃の記憶から満たされなかった愛に思いを馳せる。
大人の目の色を確認するという描写から、キャラメルを食べながら、手をベトベトにさせるこどもになれなかったことの、寂しさを感じました。
開かれないキャラメルはまた溶けていく。腐ることも傷むこともなく溶けていく。
癒えることのない心がそこにあるような一篇でした。

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