一雫の夜 ゆづは
気づいてほしくて
わざと声を砕き
唇の端から零した
聞こえないふりをされたなら
最初から独り言だったと
砂のように笑うだけ
すべての視線を
集めたいわけじゃない
手のひらの液晶を滑る
誰かの指先を
一雫の夜が濡らせばいい
親指の熱を吸い取って
画面はすぐに冷えてゆく
同じ深さの夜に沈み
青く冷たい光のなか
誰かのため息が
硝子をすり抜け
首の後ろを撫でてゆく
気づいてほしくて
わざと声を砕き
唇の端から零した
聞こえないふりをされたなら
最初から独り言だったと
砂のように笑うだけ
すべての視線を
集めたいわけじゃない
手のひらの液晶を滑る
誰かの指先を
一雫の夜が濡らせばいい
親指の熱を吸い取って
画面はすぐに冷えてゆく
同じ深さの夜に沈み
青く冷たい光のなか
誰かのため息が
硝子をすり抜け
首の後ろを撫でてゆく