終結の地 aristotles200
ターミナル駅へ向かう
改札
誰もいない
エスカレーターに乗る
2階のホームへ向かう
無人
珍しい
終電近くでも数人はいる
他のホームを見る
人影はない
スマホを取り出し
運行情報を確認
異常なし
9線10ホーム
人間は私だけ
奇跡の瞬間かもしれない
スマホで写真を撮る
ホームの定位置に並ぶ
いつもなら
通勤客の行列
周囲には
見渡す限り
人間はいない
アナウンスはなく
電車もこない
駅の横を通る
大通りで渋滞する
車の音も聞こえない
無音
照明が
1番ホームから
順番に消えていく
すべてのホームが
暗くなった
オレンジ色の
非常灯の中を
中2階の改札へ向かう
ターミナル駅の
外に出る
誰もいない
静寂
スクランブル交差点の
信号は消えている
駅前の百貨店や
商業施設の照明も
消えている
絶句
✳
突然
重低音のラッパが
大音量で鳴り響く
耳を抑え
うずくまる
頭の中に声が聞こえる
このメギドの地へ
獣たちよ
集え!
重量物が
地面を踏みしめる音
姿は見えないが
次々と
見えるところ
すべて揺らいでいる
頭痛の中で
記憶が
戻りつつある
黙示録の言葉が
繰り返される
ユーフラテス川の水は
枯れた
王たちを
この地に集めよ
空間の歪みは
実体をともない始める
通勤客が
スクランブル交差点と
交わる大通りから
地平線まで
見える限りに現れる
周辺の高層ビル
すべてに照明が点き
屋上、窓側には
人影が
隙間なく立っている
スピナ修道士の
数えた通り
1億3330万6668匹の獣
否、人間たちが
集結した
そう、ここがハルマゲドン
終結の地
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※アルフォンソ・デ・スピナ
1412年〜1491年
スペインのフランシスコ会修道士
説教家、神学者
異端審問の中心的人物