愛の結晶 相野零次
愛の結晶って重たすぎるんだよなあ
だから恋って欠片に換えて
少しずつ愛の結晶から出荷していく
オペレーターは大忙しで出荷先の
住所と今の恋愛度数を入力していく
恋のかけらは小さなものからおおきなものまで
品質がそれなりのものから良いものまで
自動コンベアーに載せられて機械の中を通り
値段がつけられる
この愛の結晶を求めて一時は核戦争が起きたけど
今は落ち着いて愛の結晶は全世界のものとなった
愛の結晶は一度に浪費しすぎると枯れてしまうので
そうならないよう完全なシステムが構築された
好きな人がいるならいったいどうすればいいのか
最愛の相手は誰がいいのか 愛の結晶は教えてくれる
その代わりにその愛がどこまでうまくいったのか伝えなければいけない
それが新たな愛の結晶の栄養源となる
明日は彼女の誕生日だから奮発して
上等な恋の欠片を買おう
それを僕の胸の中にある愛とかけ合わせれば
きっといい方法が還ってくるに違いない
愛の結晶よ あわよくば全ての恋を成就させておくれ