カレーとペダル 石川ぼうず
チャリチャリ チャリチャリ
待ちに待った 晴天の日曜日
カレーパンが おいしいと噂の店
家族を 起こさないように家を後に
クロスバイクの ペダルを軽く踏む
心をときめかせ お店のドアを開ける
小さな店内は 焼き立てのパンの香り
僕はトングを カチカチ鳴らしながら
カレーパン売り場に一目散
運よく 揚げたてのカレーパンが 僕の前で並ぶ
三種類のカレーパンを 一つずつ
会計は手早くバーコード決済
チャリチャリ チャリチャリ
ペダルが軽い
カレーパンの暖かさを 背中に感じる
家まで我慢ができない
部活に出かける高校生を横目に
小さな公園のベンチで カレーパンにかじりつく
カレーのピリリとしたほどよい辛さ
「おいしい!」
揚げたてホカホカのカレーパン
これは他の種類も楽しみ
残りも食べたい衝動を抑える
ペダルは ますます軽くなる
あとは家まで一直線
息は上がるが苦にならない
チャリチャリ チャリチャリ
思い出した
家には昨日の鍋いっぱいのカレー
とたんにペダルが重くなる