遠い雨の和音 ゆづは
そのひとしずくは
あらかじめ
用意されていたかのように
張りつめた弦の上を
すべり落ちていった
指先が
わずかに震えを掬う
それは
拒絶ではなく
深い涸れ谷が
はじめて水の音を
聴くときのような
ためらいに似て
言の葉がこぼれる刹那
互いの気配は
湿った古い楽譜の匂いに紛れゆく
重ねあわせた
輪郭のなかで
どちらの境界が
先に溶けだしたのか
確かめる術もない
ひそやかに
夜の底で息づく
ひとつの確信
雨はいつしか音楽となり
名前のない部屋を
濡らし続ける
そのひとしずくは
あらかじめ
用意されていたかのように
張りつめた弦の上を
すべり落ちていった
指先が
わずかに震えを掬う
それは
拒絶ではなく
深い涸れ谷が
はじめて水の音を
聴くときのような
ためらいに似て
言の葉がこぼれる刹那
互いの気配は
湿った古い楽譜の匂いに紛れゆく
重ねあわせた
輪郭のなかで
どちらの境界が
先に溶けだしたのか
確かめる術もない
ひそやかに
夜の底で息づく
ひとつの確信
雨はいつしか音楽となり
名前のない部屋を
濡らし続ける