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スレッドNo.7763

歴詩奇譚・鎌倉篇 一 「悪党の系譜」前編 三浦志郎

ある作家が歴史における「悪党」とは何か?
を述べている  曰くー

「幼少の主君 暗愚な主君をおだて 時に恐怖させ 担ぎ上げ 躍らせた者である」

そんな定義を携えて詩は始まる
たとえば
鎌倉時代 幕府の末期的様相

*               *               *               *

   〇当時の反幕府・独立在地勢力を歴史用語として「悪党」と呼んだが、ここでは幕府中枢部を、通常使われる意味での
   「悪いヤツら」と呼んでいる。

   鎌倉幕府は蒙古襲来の難事を乗り切って以降、その能力を著しく消耗させた感がある。
   そういった政権構造に“悪党”は出やすいものなのだろうか?


悪党
平頼綱(たいらのよりつな)という武士がいた
本来は幕府執権・北条家の家宰
いわば北条家庭の世話役 私的な執事に過ぎなかった
そういった立場の者が*増長し勢力拡大
極秘の寄合(会議)に参与
当時の幕府を動かすようになった
その異常さ
敢えて容赦ない言葉を使う
“成り上がり”である

その男
源氏に滅ぼされた“あの平家”の子孫の可能性が高い
そういう一族が鎌倉政治に食い入り牛耳った
その不思議
その歴史的皮肉
その因果応報

平頼綱
*既存勢力の代表御家人であり
器量人の安達泰盛を
主君に讒言し滅ぼした

しかし その過激さ
主君をも乗り越えようとした
時の執権・北条貞時もさすがに
頼綱を警戒し不意打ちで滅ぼす

滅ぼし 滅ぼされる
なぜ こうも鎌倉には
闘争と流血が多いのだろう!?(驚・悲)

くだんの北条貞時
幕政改革に乗り出すも
その困難に打ち砕かれ
相次ぐ子息の夭逝もあり
晩年 酒と女と遊興の日を過ごし
失意の死を迎える

残された幼君・北条高時
それを補佐するは
長崎円喜(えんき)と高資(たかすけ)父子
実はこの二人 あの平頼綱の縁者

またしても悪党の系譜は続く

いわゆる”恐怖政治“
奢り高ぶり
裁判の不公平
賄賂の取り込み
主家・北条氏への高圧的対応
有無を言わさぬ討伐

後世の幕府の滅び
足利幕府 徳川幕府にも
このようなためしなし

成人した北条高時も
*精神を病んでいた疑いがある
(闘犬と田楽の外 他事無く候)
そんな主旨の記録も残る
やはり暗愚な主君でしかなかった
それを躍らせた長崎父子

この政権 
無事ではすまないだろう



つづく。

*              *               *               *

*増長し……彼らは「御内人」などと呼ばれて実権を握り、既存の御家人と激しく対立した。
北条もつい便利に使ってしまったのだろう。主君の北条も恐れるほどの権勢を振るった。

*既存勢力の……現代の会社に例えると、家宰から上がった社長室長の平頼綱が、格上の支店長統括・兼副社長の安達泰盛
を引きずり降ろしたようなもの。室長が社長の代行として会社を動かすようなものである。

*精神を病んで……この時期の北条係累はうち続く血族結婚の弊害があり、高時もそうであった、と分析する学者もいる。

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後編は三浦評担当区間内にて掲載。

編集・削除(編集済: 2026年10月03日 14:51)

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