永遠の海 相野零次
どこかに永遠と呼べる場所があるなら、
僕はその海で永遠に泳いでいたい。
君とおそろいの指輪をつくって、
それをつけている間は、いつでもここへ戻ってこれる。
君の誓いの言葉は永遠に海の中を漂う。
僕は泳ぐたびにその言葉の欠片を拾い集める。
死んで魂だけになっても、ここへは戻ってこれる。
君も戻ってきてくれるならうれしい。
というよりも、実はここにいるのは僕と君だけじゃなくて、
他にも救われた魂の居場所だ。
僕も君も最初から死んでいる。
でもここにいるとそのことを忘れさせてくれるから、
生きていることと変わりない。
冬、おだやかな波が死んでいる。
ここは死後の世界だけど、誰でもこれるわけじゃない。
生きているときに相応の善意を尽くしてきた人だけがこれる。
僕と、君と、ここは選ばれた世界