暁はまだ俺を知らない うたい屋
つぶされる
そんな大層なもの
背負った覚えはない
なのに
膝はいつも笑ってる
青二才
顔をしかめる大人に
中指立てて嘲って
ああはならねぇよなんて
いちいち見下すようにして
願わくば 暁には
なんて言葉まで持ち出して
そうありたいと
引かれた線も見ずに
踏み込んじまってることに
いつも後から気づいた
何のために
誰のために
答えもないくせに
その問いだけは捨てられずに
それで
何を手に入れた
機をうかがって
顔色読んで
迎合くらいは
覚えたつもりで
一辺倒じゃ
世の中渡れねぇ
姑息なカードも
何枚か切った
見過ごしたことを
大人と呼んで
言わなかったことを
分別と呼んで
骨抜きになったんじゃない
そう言い聞かせるのだけは
ずいぶん上手くなったさ
ルールには意味がある
No, no
自由人
何したっていいなんて
これっぽっちも思っちゃいない
けど
誰かの世界を奪わずに
俺の世界を広げることまで
誰が駄目だと決めたんだ
好きなこと
やりたいこと
そこまで縮めて
どうすんだよ?
それで
何を諦めた
泥人形
乾けばひび割れてさ
濡れりゃ形をなくしてさ
立ち上がったところで
徒労に終わる
そんな日もあった
いや
そんな日の方が多かった
照らされなかった
そりゃそうだ
隅っこで勝手に
灯りを待ってりゃ
後悔だけ残して
スッカラカン
諦める理由なら
腐るほどあったのに
人はそもそも魔法使い
火を起こして
夜を追い払って
飛べるわけねぇ空まで
とうとう飛んじまった
ないものなら作って
届かなきゃ手を伸ばして
たったひとつでも
やっちゃいけない理由がないなら
世の理すら
歪むほど
己の狭い世界くらい
揺らしてみろよ
御託はいい
覚悟はあるか
迸れよ
一か八か
カードを切る
上等だ
欠けたままで
欲張ってやる
欲しいものなら
全部取りにいく
誰かの分までじゃない
置いてきた俺の分だ
何ひとつ
失ってないなんて
言えやしない
後悔も山ほど
取りこぼしも星ほど
それでも
まだ賭けられるものが
ここに残ってる
それで
何を残す
暁はまだ
俺を知らない
引くんじゃねぇ
踏み込め
首だけになっても
食らいつけ
笑ってんじゃねぇよ
青二才
まだ
青臭くあれ