夢とゆめ ベル
生まれた町の住んでいた団地が取り壊されて
もう何十年も経つ
父ちゃんが通ってた
おでんの一杯呑み屋の親父さんや常連さんは
生きていたとしても随分歳をとったろう
カウンターだけのお店で
皆、長椅子に肩寄せ合って
日本酒とやらをコップに注いで
赤ら顔
からしたっぷり割ってない割りばしで
お皿の横っちょにスッと塗るように
小学校低学年のぼくに
「うまいおでん屋があるんだ」と
連れてってくれた
父ちゃんもお酒が呑めないのにな
いまはお店も跡形もなく
町並みも代替わりして
昭和は歴史になっていた
引っ越した新築だった実家にも
いま暮らしているのは
母ちゃんだけになっちまった
ゆめはありますか
見上げた夜空は昭和平成令和
いまなおひかりつづける冬の星座よ
想いと共に
父ちゃんは生きてる中で
いくつの夢を叶えることができましたか