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スレッドNo.784

誕生日の夜  秋冬

せめて
ビールを

まもなく
日付が変わる

とにかく
祝杯を

一本飲んだら
日付が変わった


今年は
間に合わなかった


いつもの
晩酌に変わる

誕生日は
終わったのだ

ビールの後は
第三のビールに変える

新しい
一日が始まった

見下ろす
ビール腹が
年輪に見える

誕生日の
再会は
果たせず

残業疲れなのか
一気に
酔いが回る


亡き
父と母が
現れる


日付が変わり
諦めていたので
嬉しさと
恥ずかしさが

既に
二人を
超えて生きる
図々しい息子は
また
ひとつ
年上になった

どう見ても
二人の方が
若いのだから
嫌になる

それでも
俺は
いつものように
誕生日プレゼントをねだる

父の運転で
どこか
景色の良いところへ

 誕生日は
 昨日だから
 また来年ね

懐かしい
笑い顔で
二人は
薄くなる

なによりの
プレゼントが
消えていく

やはり
誕生日でなければ
叶わないのだ

一気に
酔いが醒め
濃い目のハイボールに
切り替える

編集・削除(編集済: 2022年10月08日 08:21)

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