あなたが来てから 成城 すそ
あいしてるの
太陽に当たるとキラキラ反射する黒い髪の毛だとか
ポニーテールの時に見えるしっとりとした項だとか
すっきりした輪郭を流れる甘そうな汗だとか
どうしかなっちゃいそうなほど愛しているの
おかしいでしょ?
マフラーからはみ出る赤い鼻だとか
寒いねと笑って下がる目尻だとか
指先のまるで雪かのような冷たさ だとか。
もう少しだねと目を伏せて
電車のホームに立ちすくんで
線路表示の看板に寄りかかって
涙を流すあなたは!
コンクリートに吸われていくように見えて
手を伸ばしたって
どこか絵空事のようで
まるで薄い 薄い液晶が膜を張って
わたしと あなたを とおざけるんだ