「(仮)付きの人生を生きて」 水野 耕助
今
体験している
すべてのことが
かりそめのようで
しっかりと
掴みとれぬまま
今日が
また
過ぎ去りゆくだけ
昨日、今日、明日
どこにも
居場所は見つからず
どこにいるにも
心許ない
この命、人生のすべてが
(仮)付きで
人生の本番は
果たしていつで
本物の自分は
一体 どこに
いるのだろうか?
幼い頃に
正しい生き方を
忘れてきてしまって
取り戻すことのできぬ
あの時を悔やみながら
間違った方法でも
このまま
かりそめの
毎日の中を
進んでいく他はない
どのような人生で
あったとしても
命あるかぎり それは
止まることなく
続いていくのだから