秋の夕暮れ 秋冬
残業続きで
休みの日は
できるだけ
長く
深く眠り
夏は過ぎて行った
夏に
眠り過ぎたのか
秋になったら
休みの日も
眠れなくなった
歩けば眠れる
と言われて
嫌々ながら
散歩に出掛ける
二分後
金木犀の香りに
気づく
毎朝毎晩
行き来する道なのに
鼻は閉じていたのだろうか?
川沿いを
進むと
ススキと
コスモス
秋の気配が
身近に溢れているのに
何ひとつ
感じなかった
足早に
日が暮れる
夕陽も
秋時間なのだ
久しぶりに
夕焼けを見たら
生まれて初めて
手を合わせたくなり
願いも
祈りもないのに
目を瞑る
大きな
虫の音が
耳に飛び込む
負けじと
腹が鳴る
僕は
生きることを
忘れて
生きていたようだ
御礼に
なにか美味いものを
買って帰ろう
振り向くと
妻が
立っている
どうやら
心配して
後を
つけてきたらしい