羽化 Liszt
夏の朝
木陰に古い衣装を脱ぎ捨てて
清々しい大気の中へ
飛び立っていくものよ
わたしはあこがれる
おまえたちの一途さに
短い命であっても
あらん限りの力で
晩夏の歌を響かせ
この世界を賛美し
やがて土に還っていくものよ
わたしはあこがれる
おまえたちの潔さに
外敵や子供たちの網に
捕まることがあろうとも
危険を顧みず
美しい羽で野山を飾り
この世界を彩るものよ
わたしはあこがれる
おまえたちの勇敢さに
羽化し飛び立った おまえたちは
「なぜ」と問うことなく
神の摂理のままに生きていく...
願わくば わたしも
この世界を
あるがままに受け入れたい
夏の朝
真新しい羽をきらめかせながら
飛び立っていくものよ
わたしはあこがれる
おまえたちの一途さに
水無川渉様
Lisztと申します。どうかお目を通して頂ければ幸いです。