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スレッドNo.885

寂寥  エイジ

夜十時にもなると
家族は寝床につく
僕は独り部屋にこもり
その日あった嫌なこと
思い巡らし 反芻し
自分が見た現実に悩まされる
短編映画のように甦る
今日あった嫌なこと

僕も眠らなければならぬ
眠りは一種の死だと思う
そう思うと眠りたくない
でも疲れた 休まねばならぬ
そう考え始めた時
僕は哀しい時計番になり
12時も過ぎると
布団に入らなければと思うのだが

身体を横たえるのが怖い
棺桶の中の死体のようだ
布団の上にじっとして
見えない棺に閉じ込められる
眠りは仮想の死だ

ふらふらになった身体で
まるで疲れた狼のように
のそりのそりと家中を歩き回る
気分転換にベランダへ出てみた

見上げると星々が瞬く中に月が
雲間から覗いたり隠れたりしている
ああ 空はなんて神秘的なんだ
僕は漂う空気を思い切り吸い込んだ
ひと時の解放感に浸り 僕はこう呟いた

「これで何の悔いもなくしねる」

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