朝涼や美しくつくろふ袖の穴
七十年以上前のものと思われる子どもの着物。貸し出して戻ってくると、あちこちが破れたりほつれたりしている。これを直す仕事が、まっさらの反物から仕立てるより、はるかに面白い。そりゃ、ばさばさほどいて時間をかければ、より綺麗に直るけれど、少しでも安く直るよう工夫して、起業したばかりの若くて礼儀正しくて素直な彼女を助けてあげるのが楽しい。
病気や怪我で命を落とす子どもが多かった時代は、子どもの着物に、お守りのように吉祥紋様を染めてある。↓これなども、車輪に青海波・小菊・大輪の菊・竹・桐・蝶。車輪の赤色はアサヒビールのロゴのようだ(笑)。
床屋から出て来た貌の穴子かな 川崎展宏
