春の野へ竹籠しよつて染色家
まあ、あれもこれもお吟さんが言いだしっぺなので、どの集まりもお吟さんがまとめ役をしておりますが、中に気の利いた方が手助けしてくださると嬉しいもんです。句会の用紙まで猫髭さまのお世話になってはいかんではないですか!
今日お見えになった方は、30年住んだ横浜を引き払って、1年前に岡山へ帰ってきたそう。染色家の志村ふくみさんに習った方が染めたという淡いピンクの紬、紅花染めかしら開花前の桜の枝かしら、横浜で仕立ててもらったら大きすぎて、直してもらった小さすぎて、悶々としてうるうちに引っ越して、でもどうしてもちゃんと着たくてお吟さんを見つけて高速飛ばしてやってきた。
「私が今日着ている刺子のジャケット、今年の元日に時間待ちのギャラリーで見つけたんですが、悪目立ちするから売れ残って安くなったのかしら、でもとても時間をかけて丁寧に縫ってあるので、買いました。しかし、それを買ったお蔭で、出会うはずのない人に奇跡的に出会えたんですよ。物ってね、いい物って、その人のところへ来るべくして来るんですよ。
このピンクの紬もね♪」
風切つてくるつばくろよお帰りなさい 大木あまり
