港街小さき茶会に秋惜しむ
我らがお茶人が亭主をつとめる茶会へ行ってきた。茶花は、初嵐という白玉椿の早咲きと、少し紅葉したコバノズイナの小枝。茶菓子の銘は「錦繍」。文化の日なので、大正時代の紗の着物を羽織っていったら、行く先々、5、6人のマダムから、「素敵ねえ」と褒められた。これは、命の消えゆく母のそばでちくちく仕上げたもの。裾を30㎝ほど折り返しスリットを入れ、長すぎる袖をちょんぎって紐をこさえただけのもの。ほぼ元の着物のかたちである。「針と糸さえあれば、どなたでも出来ますよ」と説明してさしあげた。
黒のベレーに黒のパンツ黒のブーツと、黒づくめに、この大正時代の描き疋田染めの、おおらかで大胆な紗の着物は、相当なインパクトを与えたみたい(笑)。
機を織る色なき風の中に座し 日原傳
