打掛をはおる二歳は雛の客
おかみさん会から、年代物の打掛の直しを頼まれる。おひな祭りをしている、塩田で栄えた野崎邸の別邸へ行ってみると、可愛い女の子が羽織って写真を撮ってもらっているところだった。お客がいなくなったときに、三枚の打掛を点検する。裏地の紅絹がかなり痛んで、裂けたりほどけたりしている。袖に手を通そうと、破れに手を突っ込んで大破れになっているところもある(笑)。怪我に絆創膏を貼る要領での直しならできると伝えると、それでいいとの返事だったので、請け負うことにした。
春満月ざしきわらしも外に出でよ 菖蒲あや
