春の宵裾文様の鶴と松
近々舞台で着たいという黒留袖の裄を出す。黒留袖といえば、裾のぐるりを友禅染と金彩で絵付けされたものが多いが、これは、上前に鶴と松の刺繍だけほどこされた印象鮮明な一枚。しなやかで堂々とした三味線の先生にぴったりだと思う。この方、初めてお吟宅に見えたのは、かれこれ10年前になる。野の花が描かれた茶碗で一服お出しすると、「あら、烏の豌豆♪
うちのお店にも飾りますよ」「なにのお店ですか?」「バーをしております」
雑草好きのお吟さん、それからずっと、他の着物は後回しにしても、この方の着物を早くしあげます。あっ、俳句を詠む方の着物も(笑)。
割烹着まつさら鰆一尾かな 里見梢
