線まろき鳥獣戯画を春袷
和裁の集まりの日。お借りしているのは老人施設なので、老人なら誰でも利用できるが、今日の健康体操に見えた方は、ビンテージのトヨタのスプリンターから降りて歩くのに、ゼイゼイと辛そうな呼吸をしている。仲間から「帰った方がいいんじゃない?」と言われても、「体操せんと歩けんようになる」の一点張り。案の定、体操の途中で立ち上がれなくなって、「手を引っ張ってくれ」と助けを求める。しかし、みんな人生経験を積んだ賢い人ばかりで、「引っ張り損ねて尻もちでもつかれて骨折したら私の責任になる」とか「家で倒れた夫を抱き起した拍子に圧迫骨折したことがある」とか、用心して自力で起き上がってくれるのを待っていた。こんなお年寄りも運転している時代だから、よくよく気を付けて運転しなけりゃと思った。
鳥獣戯画は、着物好きさんに好まれる模様だけれど、せいぜいが、長襦袢とか羽裏とか半衿に使われていた。訪問着として鳥獣戯画が絵付けされているのは、この着物が初めて。当然だけど、この絵付師さん、お吟の模写より巧い(笑)。
春の燈や綻びやすき身八つ口 檜紀代
