手にかろき白大島や春の雪
和裁の集まりの日。金蠅は、頼まれて白大島をほどき、洋服用のコートに仕立て直していた。縫いながら、妻や娘から何度も煙草を止めるよう言われ、止めたと言いながら現在も隠れて吸っているらしい夫の話をしてくれる。先日、庭で洗濯物を干していたら、夫の部屋の窓から煙が出ているのに気づく。
音を立てないよう二階へあがり、今日こそ現行犯逮捕して懲らしめてやろうと、ぱっとドアを開けて、「お父さん、何してるん?」と怒ったそうな。するとお父さん、火のついた煙草を手に、「煙草を吸ようるんじゃ!」と開き直って、こともあろうに恐ろしい顔で睨みつけたという。やれやれ(笑)。
アネモネや煙草のけむりむらさきに 舘岡沙緻
